はじめに
Mayaでは、ScriptEditorを使ってスクリプトの実行ができますが、RiderなどのIDEに慣れた身からすると色々使いづらいところがあります。もっとコード補完してくれたり、デバッグとかしたいなと思って色々と方法を探し、最終的にPyCharmのデバッグに辿り着きました。
Webで検索すれば、方法とかは出てきますが古い記事が多く最新の環境だとつまづく所も多かったので、備忘録も兼ねて開発環境の構築を記載します。
今回使用したMayaのバージョンは2025.2、PyCharmは2024.1.7です。
自動補完を有効にする
コードを入力した際に、次に入力する関数の候補が表示されると便利です。PyCharmでその設定を行うための手順を紹介します。
Step1 PyCahrmとプラグインMayaCharmのインストール
PyCharmのバージョン情報は、今回の環境構築で重要です。というのも、最新すぎるとプラグインのMayaCharmが新しいバージョンに対応できておらずインストールできないからです。
本記事執筆時点では2024.1.7までMayaCharmは対応されていました。最新の対応状況を確認する場合はプラグインサイトよりCompatible Rangeをご確認ください。
https://plugins.jetbrains.com/plugin/8218-mayacharm/versions
Step2 DevKitのインストール
下記サイトより対応するDevKitをダウンロードします。
対応するMayaのバージョンを基本的にダウンロードしたいところですが、2023からコード補完で参照するフォルダがなくなっています。コード補完を有効化するためには2022をダウンロードしてください。
ダウンロードフォルダを解凍し、中に入っているAutodesk_Maya_XXXX_DEVKIT_Windows\devkitBase\devkitフォルダをC:\Program Files\Autodesk\MayaXXXXに配置します。
Step3 PyCharmでPython Interpreterの設定を行う
PyCahrmを開き、SettingsよりPyhon Interpreterウィンドウを開き、Add Interpreterよりmayapy.exeを選択します。mayapy.exeはWindowsの場合はデフォルトではC:\Program Files\Autodesk\MayaXXXX\binにあります。
続いて、Python InterpreterのプルダウンよりShow AllからPython Interpretesウィンドウを開き、Show Interpreter Pathsアイコンを押してInterpreter Pathsウィンドウを開きます。
ここでsite-packagesを削除し、C:\Program Files\Autodesk\MayaXXXX\devkit\other\Python27\pymel\extras\completion\pyを追加します。
ここまで設定すると補完がスクショのように有効化されるようになります。
デバッガーの設定を行う
PycharmとMayaを連携させスクリプトの実行とブレークポイントによるデバッグを出来るようにします。
バージョンにより設定差異があるのでMayaCharmのgithubに記載されている設定手順に従うのが確実です。https://github.com/cmcpasserby/MayaCharm/blob/master/README.md
MayaCharmはいつからかRun ConfigによるDebugginをサポートしなくなったようです。Webで出てくる記事にはMayaCharm Debuggerを使用したものが出てきますが、MayaCharmのバージョンによってはもう使用できないです。代わりにAttach To Processでデバッグが可能です。
設定が完了すると、PyCharmでスクリプトを実行するとMaya側に処理が反映されます。ブレークポイントで処理を止めて詳細を追うなどもできるようになります。